近年、醸造技術と醸造設備の向上により、日本酒はより洗練された雑味の少ないクリーンな味わいへと進化していくなか、どれを飲んでもハズレくじを引かなくなったことは良いことですが、没個性への時代に突入しました。各蔵元、進化していく中でのアイデンティティーを模索する中で、「萩乃露」らしさを120%表現した、時代に左右されない「パワフルな酒質」を追求していったのが大人気の肉食系純米酒シリーズです。
今年の山田穂は例年とはちょっと異なる香味に驚かされました。昨年のコメントを振り返ると「熟したリンゴや梨、バナナのような香りに、クリームやバターのようなコクを感じる香味」とありますが、今年は香りが全然異なります(いい意味で)。ワインを飲んでいる方なら一発でわかりますが、甲州ワインのようなスモーキー感。セミヨンやリースリングが熟成したときに感じる紅茶のようなオリエンタルな香りを感じます。ガス感はしっかり残っており、例年より硬さを感じるシャープな印象の味わいは、高アルコールでパワフルという肉食系純米シリーズからすると異例の洗練されたスマートさを感じる味わいに仕上がっています。
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滋賀県高島市
福井弥平商店
◆萩乃露 肉食系純米酒 山田穂直汲み<生>
1800ml 3,390円 [tax included]
720ml 1,790円 [tax included]
2024.10.24