「水もと」は、中世の日本で開発された酒母の製法。近年は奈良の蔵元を中心に、様々な蔵元が現在の技術と融合しながら、さまざまなタイプの水もとのお酒がリリースされています。
大倉本家はその水もとのさきがけと言われる蔵元ですが、当初から狙っていたわけではありません。もともと奈良県神社庁の委託を受け、水もとの濁酒である「御神酒」を造っていました。平成12年の休造とともにその製造もストップしてしまいますが、現4代目蔵元の隆彦さんが戻ってきたときに、その蔵元の造りを再現して復活させたのが大倉本家の水もとのリスタートとなります。そんな代々伝わる水もとの造りを継承、進化させたシリーズが、この大倉「源流」シリーズなのです。
源流の他のシリーズに比べれば優等生な味わいに感じます。ヨーグルトやチーズ、バターのようなクリーミーな香りを全面に感じます。とろりとした口当たりに蜂蜜を思わす濃醇な旨味を感じますが、レモンのようなしっかりとした酸味と相まって、レモネードのような印象も。貴腐ワインのような感覚で、食前・食後酒や濃厚な料理と合わせて、小さなグラスでちょっとずつ愉しむと魅力倍増。温めることによりホットりんごのような、ほっこりとした旨味を感じるお酒に変化します。
奈良県香芝市
株式会社大倉本家
◆大倉「源流」水もと 純米無濾過生原酒
1800ml 3,300円 [tax included]
720ml 1,760円 [tax included]
2024.03.14