「最高に面白い酒ができた」飲んだ瞬間にそう思った。究極の酒とは何か?極めていくにつれ、出品酒のようにどの蔵元のお酒も味が似通っていくようなことはしたくない。真逆を貫こう。産卵のために海から川へさかのぼるサケやマスのように源流を目指して。大倉さんが昔の文献をたどってみると「菊もと」という言葉があった。現代のような冷蔵設備のない時代に、菊の花が咲く暖かい時期でも、酒を腐らすことなく造る方法を先代の方々はいろいろと考えていたようだ。それを現代の大倉の造りに合わせてアレンジしてみたのが、この二段仕込みの純米酒。いろんな人に試してもらい、その感想が面白かった。香りを嗅いだ瞬間!みんな怪訝そうな顔をする。たしかに、ブルーチーズを思わす強烈な香りだ。良く言えば、はちみつや貴腐ワインに似た香りがする。しかし飲んだ瞬間にその香りは消え、和柑橘のような爽やかな香りと白ワインを思わす強烈な酸味に、みなさん驚きの表情を隠せない。どんな料理と合うのだろうか?世の中に1つぐらいこんなお酒があっても良いと思う。
奈良県 大倉本家
大倉 「源流」 菊もと純米二段仕込生原酒
1800ml 3,300円 720ml 1,710円[tax included]
2019.10.18