名古屋からJR中央本線の松本行きに乗り換え、約1時間50分の電車旅。かつて芭蕉が詠み、広重が描いた信州木曽街道。その木曽谷の奥深く、薮原宿の片隅に湯川酒造店はあります。「随分とこの電車登っていってるな」と思いながら到着しましたが、後で聞くと、酒蔵の立地は標高936m!酒造期中の12月~2月頃にはマイナス18℃まで気温が下がるそうで、さすがに「酒は寒造りが良い」とはいえ、この条件では逆にモロミを暖めなければいけないという不利な条件。また、もともと木曽路を包む木曽谷の約9割は森林地帯。その昔、耕作地の狭い木曽地域では米を作る事ができず、米年貢の代わりに木年貢(木の年貢)が課されていたという歴史があります。そんな「酒造りにも適していない」「米作りにも適していない」土地で、創業は1650年より370年近くも続いているのはなぜだろう?その歴史を紐解くお酒。それがこの十六代九郎右衛門「環-めぐる-」シリーズ。第一弾は「木」。木を売って→米を仕入れ→酒にする。370年もの昔から受け継がれた、その循環に思いを馳せながら飲んでいただきたいお酒です。
十六代九郎右衛門「環」木 生もと純米酒 生or火入
1800ml 3,380円 720ml 1,790円[tax included]
2019.06.25