
TOYONOUME
高知県 高木酒造
Farmers and Agriculture
「嶺北産吟の夢」
Brewing / Brewer
「高木酒造」
Design and Art
「対馬 肇」

商品コンセプト
その掛け合わせの一覧表を見ているうちに、
ひとつだけない組合せがあった。
もともと良いお酒だなぁとは昔から思っていました。しかし、せっかく美味しいのに豊能梅の特徴がもうひとつ伝わりにくいのも現状でした。実際に蔵に訪問した際も「こうやったらいいんじゃん!」という案がなかなか浮かんできません。2 時間以上滞在した中で、最後の最後にひとつの道筋が見えたのです。現在、社長兼杜氏をつとめる五代目の高木直之氏は、蔵に戻る前にバイオテクノロジーの会社で微生物関係の仕事を10 年勤めていました。その経験から、現在の豊能梅・土佐金蔵のラインナップは、酵母と酒米の組合せで種類がいろいろと分けられています。その掛け合わせの一覧表を見ているうちに、ひとつだけない組合せがあったのです。それがこの商品である高知の酒米「吟の夢」と、カプロン系とイソアミル系の両方の特性を持っている高知酵母「AC95」。「なんでこの組合せは無いのですか?」「いまあるラインナップのしがらみで無いのですが、実は昔から造ってみたいと思っていた組合せなんです」。このような経緯から、それぞれの頭文字をとった「G×A」は誕生しました。
Pursue originality with a combination of sake rice
and yeast, which the brewery specializes in.
The president and the chief brewer, Naoyuki Takagi worked for ten years in a company
of biotechnology before returning to the brewery. Thanks to that experience, the current
Toyonoume lineup has a wide variety and can be classified by the combination of sake
rice and yeast. As we were looking at the list of combinations, we found a combination
we've never seen before. That is the combination of sake rice “Ginnoyume” and the yeast
“AC95”. “Why haven't you tried this combination before?” Mr Takagi answered us: ”We
haven't tried it due to the current line up, but this is the combination we have wanted to
challenge. This is the behind-the-scenes story of the birth of this series.

酒米生産者 「嶺北産吟の夢」地元高知県産のお米を使用し、土佐酒のブランドアップを図っていくために。
土佐酒振興のための組織として、土佐酒振興プラットフォームという組織が立ち上っています。同制度は、県が窓口となって2016年5月に設立総会を開催しました。酒造組合、高知県農業技術センター、高知県工業技術センター、県地産地消外商課、中小企業団体中央会、全農、生産農家等で構成されています。土佐酒のブランド化、輸出の振興、酒米の開発、酒米生産環境の向上など多角的に取り組んでいます。
吟の夢については、昨年より品評会を開催し、農家の方の高品質生産への意識を高めようと試みています。現状では、まだまだ産地間の品質にばらつきがあり、生産量も気候によって大きく左右され、安定供給には至っておりませんが、良い方向に動いている事は間違いないようです。地元高知県産のお米を使用し、土佐酒のブランドアップを図っていく。これからが楽しみであります。

蔵元 「高木酒造」
豪快なイベント「大杯飲み干し大会」で有名な「どろめ祭り」のある赤岡町より。
豊能梅G×Aを造る高木酒造は、創業明治17 年。高知市から東へ約20km、県のほぼ中央に位置する小さな町「赤岡町」に位置します。赤岡町といえば、4月の最終日曜日に行われる『どろめ祭り』が有名です。そのメインイベントである『大杯飲み干し大会』は、世界各国の酒豪たちが集まり、男性1 升、女性5 合の「おらんくの酒」をイッキに飲み干し、「飲み干す時間」「飲みっぷり」の総合得点を競う、まさに土佐の祭りと言える豪快でユニークな祭りです。
銘柄の由来についてお話致しますと、「豊の梅」という銘柄はもともとは同じ地元赤岡の寺尾酒造の銘柄でした。昭和3年、寺尾酒造の閉鎖に伴い、二代目高木助次が「豊の梅」の銘柄を譲り受けました。「豊の梅」の「の」は、「能」を略した変体かな文字で書かれています。

デザイン 「対馬 肇」
波の模様で土佐の荒波をイメージ
依頼は、かっこいいラベルデザイン。特にどんな感じというものは指定されず、自由にということでしたので、高知県にある酒蔵なので、土佐の荒波を繊細なラインで表現しました。豊能梅のロゴは書家の書かれたものがありましたが、何か足らないと思い、マークがなかったので、梅を5つの丸でシンプルにデザインしたものを入れました。箔押したマークが活きたデザインになったと思います。デザインをとても気に入っていただけ、またシリーズで、黒、ピンクも発売され、デザイナーとしてとても光栄です。
[Profile]
1970年広島県呉市生まれ。
岡山ポリテクカレッジ短期大学校 プロダクトデザイン学科卒業
環境施設メーカーを経て1995年独立。
アートディレクター/グラフィックデザイナー
現 大阪芸術大学短期大学部 准教授