「百十郎」ちょっから
HYAKUJURO
岐阜県 林本店
農家・農業
「農業生産法人 森ライス」
造り・造り手
「林本店」
デザイン・芸術
「瀧川 裕恵」
商品コンセプト
飲み手の素直なイメージが、
そのブランドの真の姿を教えてくれた1本。
百十郎を醸す林本店の林社長と、とある飲食店に行った時の話。その飲食店の店主が「百十郎といえば辛口よね!」と何度もお話をされ、「辛口で美味しいから飲んでみて。」と隣のお客様にもすすめている光景がありました。「辛口の商品ばかりでは無いと思いますが、辛口酒とよく言われますか?」と聞いたところ、「結構いろんなところで百十郎といえば辛口とよく言われますよ。」との返答が。オリジナルの商品を考える際に、その飲み手が感じ取っている素直な印象をそのまま商品化するほうが受け入れられるのではないかと考え、CWSオリジナルの辛口酒「ちょっから百十郎」が誕生しました。レギュラー商品のラベルが「隈取」の絵を全面に出していることから、逆に百十郎のロゴを全面に出した正統派の方がウケが良いのではと考え、花札をモチーフに、日本の伝統と辛口の爽やかさを表現したラベルに仕上げています。
酒米生産者 「農業生産法人 森ライス」我々はただ米を作っているのではない。
米作りは地域・環境を守ることに繋がる。
全国で唯一、岐阜県のみが作っているお米があります。それが「ハツシモ」というお米です。百十郎キュベ・ジャポンの緑の富士山のラベルのお酒に使用しています。粘り気が少なく、炊いた感じが固めに仕上がる。その特徴を生かし、県内外のお寿司屋さんのシャリとして愛用されています。百十郎を造る林本店では、早くからこのハツシモでお酒を造ってきた経緯があります。ハツシモを漢字で書けば「初霜」と書くように、日本の米の中では収穫時期がかなり遅いお米で、11月中旬の初霜が降りる頃までじっくりと栽培されたことが名前の語源。よって、コシヒカリやササニシキ等に比べると粘り気が少なく、大粒。食用米でありながら酒米としても使いやすく、なかなかの力強い味わいのお酒に仕上がるのが特徴です。技術顧問の佐藤さんも「酒米としてのハツシモは、下手な酒造好適米よりも可能性がある」と太鼓判を押します。
蔵から約20分程度。このハツシモを作っている森ライスの森淳一さんを訪ねました。農家さんの高齢化でなかなか新しいことにチャレンジしにくい業界の中、代表を務める森さんは40代と若く、新しいことにも意欲的です。この度は、名古屋にある精米会社、近喜商事の兼松さんにお願いして、お米を精米する際に生産者までトレイスしてもらい、森ライスさんが作ったハツシモで醸したキュベ・ジャポンをお持ちしたら、非常に喜んでいただきました。
農家さんの高齢化により米作りを辞める人が増え、毎年2~3町分の田んぼをお願いできないか、と話があるそうです。安易にも「どこまで増やしていく予定なのですか?」と尋ねると、「単にモノは作れても、環境を守ることができないんです。我々だけではどうしても人手が足りません。地権者が用水路を掃除したり、地域の人がゴミ拾いをするなどしていただかないと。米作りというのは、地域を守ることに繋がりますし、環境保全の役割も担っていると思うのです。」
我々お酒の飲み手は、原料米という観点だけでなく、農家、強いては農業も考えながらお酒に触れ合うことができれば、お酒の新たな楽しみ方は見つかるかもしれないと感じた一幕だった。
蔵元 「林本店」
不易流行の心で、伝統の中にもWOW!(ワォ!)の楽しみがある酒造りにチャレンジし続けたい。
百十郎キュベ・ジャポンを造る蔵元が岐阜県各務原市にある林本店です。1920 年創業。林本店のある各務原市は航空産業の盛んな街で、もともと陸軍の航空基地が存在したことから「征空」という銘柄のお酒を造っていました。現在は「榮一」というブランドと、2012 年に現5 代目林里榮子氏が命名した「百十郎」が主力商品となっています。秋田にある鳥海山で有名な天寿酒造の元杜氏を勤めていた佐藤俊二氏を技術顧問に招き、設備を一新。若い蔵人と一緒にチームワークでお酒造りに励んでいます。不易流行の心で、伝統の中にもWOW!(ワォ!)の楽しみがある酒造りにチャレンジし続けたい。常に考え、提供し続けること。それが林本店の提案です。
デザイン 「瀧川 裕恵」
1983年 広島生まれ 広島在住
2004年広島のデザイン会社へ就職。
2015年フリーランスとして独立。
「飾る場所の、そして持ち主が心地よくなる絵」をコンセプトに
色を枠にとらわれず、命のあるものを表現する。
個展原画展示販売、オーダーでの原画制作、広島を拠点に全国の多業種イラスト制作、印刷物などを手がける。
イラストレーター/グラフィックデザイナー