
「天明」MITSUGO
TENMEI
福島県 曙酒造
農家・農業
「広島北部農業協同組合・高宮酒米部会」
造り・造り手
「曙酒造」
デザイン・芸術
「対馬 肇」

商品コンセプト
エコロジーという観点から考える、
あえて磨かないという哲学。
曙酒造で杜氏を務める鈴木孝市さんのお話。とある飲食店の店主と酒米の話になったところ、「お米についてもっと知りたければ、都内に面白い米屋さんがあるから紹介してやろうか?」後日、孝市さんはそのお米屋さんを訪問します。1階はお米の量り売り専用店舗、2 階・3 階はすべて専用にカスタマイズされた精米機がズラリ。「日本酒に興味があって、今度酒米を自分のところで精米してみようと思うんだけど、、、よく米の外側のタンパク質が雑味の原因とか言われるけど、周りどのくらいまでその雑味の成分が多いの?」と問われ、孝市さんはハッキリと返答できなかったといいます。
後日酒米を持参し、その自家用精米機で1%ずつに分けた削り糠を舐めながら、あるところでグンと甘み(旨味) が少なくなったポイントがある事に気づきます。それは12%削ったところ(精米率88%)でした。また、その精米したお米を見てさらに驚きます。お米の形そのまんまに精米されており、通常丸く小さくなる精米とも、扁平精米とも異なる形でした。この出会いがあってから、お米の栽培はもとより、その後の保管方法や精米に至るまで神経を使うようになったといいます。
この天明「MITSUGO」シリーズは、このような体験のもと、低精米で造られたお酒たちです。一般的に、磨けば磨くほど上質な酒になるという常識とは真逆の発想から生まれた低精米酒は、「米の外側のタンパク質が酒の雑味の原因とされているが、それもまるごと「旨み」ととらえる新概念だ。」と説明されがちですが、孝市さんはその一歩先をいった考え方であり、エコロジーの観点からも軽はずみに造られる高精米酒に疑問を投げかける商品だと言えます。
農家さんが手塩にかけて作った大切なお米です。そのお米をできるだけまるまる楽しみたいというコンセプトが含まれています。
From the viewpoint of Ecology,
A philosophy of not dare to polish rice too much.
The master brewer, Mr Koichi Suzuki, told us. One day when he visited a restaurant, the
owner introduced him to a unique rice dealer in Tokyo. They have a store on the 1st
floor to sell rice by measure and customized rice-polishing machines on the 2nd and 3rd
floors. They are particular about rice-polishing and also have interests in polishing sakebrewing
rice. Koichi brought rice to the shop, polished little by little and licked the rice
bran. Then he noticed that there was a point where the sweetness (umami) markedly reduced.
That was when they polished 12%(Rice polishing rate of 88%). Also, he was surprised
at the shape of polished rice. Rice grains retained their shapes. It was different
from the polished rice, which is usually round and small, or the flat polished rice. After
that, he began to use nerves not only for rice cultivation but also for subsequent storage
methods and polishing.

酒米生産者 「広島北部農業協同組合・高宮酒米部会」酒米作りのプロ集団。県内最大の酒米産地「高宮町」より。
この天明MITSUGOシリーズで使用される酒米は、広島県の北部に位置する安芸高田市高宮町の「雄町」というお米を使用しています。高宮町では、酒造会社の要望に応える酒米の質と量を確実に提供するために、酒米部会が1986年に設立されました。現在では、八反錦、八反35号、千本錦、雄町、こいおまちなどの酒米を生産しています。肥沃な大地、きれいなで豊富な水、夏季の昼夜の寒暖差が大きいという気候的な好条件だけでなく、生産者一人ひとりが高品質(低タンパクでで高位平準化)な酒米の計画生産に努め、信頼される産地づくりに取り組んでいます。

蔵元 「曙酒造」
時代とともに自然とともに進化し続ける酒。
食とともに人の輪の中で幸せの舌鼓をうたせ続ける酒。
そして「造っていても呑んでも楽しさが無限に湧き出る酒」を造りたい。
この天明MITSUGOシリーズをつくる蔵元が、福島県は河沼郡会津坂下町にある曙酒造です。会津の小さな酒蔵で女性杜氏が醸しだす「天明」というブランドで、地酒業界に一躍名を馳せた曙酒造。現在は、4代目蔵元である鈴木明美さんの息子・孝市さんが杜氏兼社長として酒造りを一任されており、彼の思い描く酒造りに向けて、蔵人一同がバックアップしているという、これからが楽しみな蔵元です。『時代とともに自然とともに進化し続ける酒』『食とともに人の輪の中で幸せの舌鼓をうたせ続ける酒』そして『造っていても呑んでも楽しさが無限に湧き出る酒』を造り続けたいと想い、日々酒造りに努めています。

デザイン 「対馬 肇」
インパクトのあるラベルデザイン
素材そのもの、全てを大事に大切にという思考をもとに
天明の「天」をモチーフに酒の雫をイメージ。
普通の印刷ラベルではなく、穴があくことによって天明の透明感、爽やかさを出し、透き通るように見せています。
お酒を飲むときに穴あきのラベルであれば楽しさもあり、穴のあいたラベルから見える景色が
天明の歴史とリンクします。また、インパクトを出すために穴あきのラベルにしました。
[Profile]
1970年広島県呉市生まれ。
岡山ポリテクカレッジ短期大学校 プロダクトデザイン学科卒業
環境施設メーカーを経て1995年独立。
アートディレクター/グラフィックデザイナー
現 大阪芸術大学短期大学部 准教授